元種の継ぎ足し
元種は何度か継ぎ足して、ひと月くらいしたら新しい瓶に変えています。
元種は400mlのガラス瓶の半分以下で作って、1回のパン焼きに100g使い、
残りの元種に、ストレート液を100ml程入れて薄めてから、新しい瓶に移し、
更に、ごく少量の浄水で瓶をすすいだ液も、新しい瓶に移します。
塩素を含む水道水を酵母液に追加したり、新しい瓶をアルコールスプレー除菌してすぐに酵母液を入れると、酵母菌も多く死んで、なかなか2倍以上に膨らまなくなり、復活に1週間位かかったことがありました。
洗浄なら水道水で問題ありませんが、
酵母液に追加する水は、必ず浄水で、水道水しかないのであれば塩素を抜いてから使用すべきです。
私は普段から手荒れ防止のために使い捨ての手袋をして、素手で瓶に触れることもないため、
購入したての瓶など、素手で触られた瓶の場合だけ、アルコール除菌や煮沸消毒をしています。
新しい瓶に移した酵母液に、液の同量程度の薄力粉を入れて培養し元種にします。
使うのは、ポストハーベストの心配がない国産の薄力粉。
作った元種の全量が瓶の半分以上なら、2つの瓶に分けておきます。
26度前後の室内で1日培養し、2倍以上に膨らみました。
酵母が糖を食べて活発に呼吸して、吐き出した二酸化炭素がグルテンなどの粘膜の中で膨らんでいます。
酵母が酸素を吸い尽くし、二酸化炭素が充満したこの状態は焼くなら最適ですが、
元種として保存する場合は、このままだと窒息状態が続いて酵母は死んでしまいます。
酵母が活動しきって一番増えた状態で休ませたいので、
膨らみが停滞してきたタイミングでかき混ぜて二酸化炭素を抜き、
酸素をよく取り込んで酵母が呼吸できる状態にしてから冷蔵庫で休ませます。
バブルが崩壊して、量は元の輪ゴムの位置に戻りますが、
糖が減った分、生きた酵母が増えて、全く別物になっています。
人と同じで酵母も休眠中でも呼吸するので、1日1回かき混ぜます。
酵母作りを始めた頃は、2倍に増えた状態が一番酵母が増えて元気な状態だと思っていて、かき混ぜて萎ませる意味が解っていませんでした。
まさかボンベの酸素が底をついたダイバー状態だったとは。
自然に萎んでしまってから掻き混ぜずに冷蔵庫に入れた元種は、休ませるどころか死んでしまい、パンを膨らませる力などありませんでした。
それでも、生き残った酵母に酒粕や果物を加えてストレート液から作り直し、
酵母を理解して、現在まで継ぎ足して何度もパンを焼けるようになりました。